「なぜ酔っぱらっても家に帰れるのか?」を脳科学的に解明

芸術的創造は脳のどこから産まれるか? コラム
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こんにちは!
今回は、大黒達也の「芸術的創造は脳のどこから産まれるか」より
お酒を飲みすぎて記憶が曖昧な状況でも自分の家に帰れる理由を脳科学的にご紹介します。

ついつい飲みすぎてしまう人、よく飲み会で人の介護をする人は必見です。
極論、酔っぱらい自身があることができていれば最悪ほっといても家に帰れるのですから。

 

 

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酔っている時の脳はどんな状態なのか

 

酔っていても家に帰れる人の事実を理解するには、まず酔っている時の人間の脳がどのような状態になっているか知っている必要があります。

ここで重要になる脳の部位が3つあります。

1つ目が「感情を司る大脳皮質」
2つ目が「運動機能に関連する小脳」
3つ目が「短期記憶から長期記憶に移行する海馬」

です。

どうですか?

「大脳皮質」「小脳」「海馬」は専門用語ですが、聞いたことあるのではないですか?

 

酔うとこの誰でも知っている部位が徐々に機能を低下していきます。

 

第1段階では、「大脳皮質」の機能が低下し、理性が少しずつ薄れます
代わりに感情を司る「大脳辺縁系」の活動が活発化し、陽気になる人陰気になる人それぞれの特徴が出てきます。

※ちなみに、酔うと性格が変わると言われますが実は第1段階のように自分の性格の一面が表に強く出ます。その結果出てきた性格が普段見せない性格であってもその人の性格の1つです。
なので、性格が変わるではなく違う一面が見れたが言い方としては正解かもしれません。

 

第2段階では、「小脳」に影響を及ぼし運動機能が低下します。
運動機能が低下すると舌に力が入らなくなりろれつが回らなくなったり、足に力が入らず千鳥足になってしまう等の現象が起こります。

 

第3段階では、「海馬」に影響を及ぼし飲んでいた時の記憶を保持できなくなります。
記憶をするということは、短期記憶(すぐに忘れる記憶)から長期記憶(長く覚えておける記憶)に記憶を移行する必要がありますが、海馬に影響が出ると短期記憶から長期記憶への移行ができなくなり結果短期記憶で終わってしまうので朝起きた時には何も覚えていない状態になります。

 

以上の3段階が人間が酔うと起きる脳の現象です。

 

あなたも酔った経験があると思いますがこの第1段階~第3段階の順番で症状が出ていないですか?

もし思い当たるなら、これからは感情が強く表に出始めたら次にろれつが回らなくなる前にアルコールの摂取を控えることをお勧めします。

 

※ちなみに、水を飲むとアルコールの回りを抑えられるというのは嘘ですよ。
実際は、水を飲むことでアルコールの摂取量が相対的に減り通常より酔わないと錯覚しているだけです。

さて、ここまで酔った時の脳の状態をご紹介しました。
海馬まで影響出ると酔った時のことを記憶することすら難しくなるのに、なぜ酔っぱらいは家まで帰ることができるのか気になりますね。

 

 

飲んだ記憶が無くても家に帰れる理由

 

さて、記憶できなくなるまで酔った人が家に帰れる理由あなたは検討がつきましたか?

 

答えは、「長期記憶」です。

 

これだけ聞いても何のことかわからないと思うので少し解説しますね。

そもそも「長期記憶」とは?なんですが、色々あるのですがここで使う長期記憶の種類は「潜在記憶」と「手続き記憶」です。

「潜在記憶」は毎日の繰り返しで覚えることです
例えば、帰る場所が同じだと考えなくても家に帰れる。

「手続き記憶」は訓練や学習によって覚えることです
例えば、歩き方や走り方等幼い頃から行っていること(身体が自然と覚えている)。

 

この「潜在記憶」と「手続き記憶」によって人は酔っていても家に帰ることができるのです。

「潜在記憶」で帰る手順を自然に覚えている(ある程度までなら酔っている状態でも使える)
「手続き記憶」により歩く方法は考えなくても実行できるので歩ける。

このような記憶の組み合わせによって人間は酔っても動きます。

 

 

最後に

 

今回は、酔っぱらっても家に帰ることができる理由の答えとして酔っていても長期記憶で家への帰り方と歩き方(移動手段)が脳に染みついているので帰れる。
でした。

 

いかがでしたか?
酔うことは日常茶飯事な人も多くないと思いますが、身体や脳が実際どんなダメージを受けてどんな行動をするのかまでは知らなかったのではないですか?

「芸術的創造は脳のどこから産まれるか?」では最初に脳の記憶の構造に触れ、そこから発想力や最適な記憶方法について紹介されています。

ちなみに専門用語や、難しい図等があり気軽に手を出すと痛い目を見る本です(笑)

ですが、読み解くことができれば新しいことを覚えること等記憶する分野において多きな手助けになるはずです。

 

※今回取り上げた内容は、本書ではコラムレベルで本編の余談の内容として紹介されていましたが、このレベルで面白い内容でした。

「睡眠学習は本当か?」等読みやすいコラムだけでも読んで価値があるので他の人が持っていないであろう知識を手に入れたいと思っている方なら読んでみて損は無いと思いますよ。

 

 

 

引用元情報
著者:大黒達也
書籍名:芸術的創造は脳のどこから産まれるのか?
発売年:2020年
発行者:田邊浩司
装幀:アラン・チャン
発行所:株式会社光文社
カバー印刷:萩原印刷

 

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