こんばんは!
今回は「予算の見積りを依頼する時に注意したい【アンカリング】の落とし穴」です。
「気づいたら予算より高い値段で発注していた」
「頭から一定の数字が基準になっていた」
そんな知らないうちに相手に暗示をかけられているあなたに向けて書いた記事です。
情報元は
ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」です。
数字の暗示をかける【アンカリング】
早速ですが、あなたに質問があります。
「歴史上の人物、織田信長が自害したのは30歳より上でしょうか?」
だいたい何歳ぐらいで自害したのかも推測してみてください。
答えがでましたか?
上記のような質問をすると
多くの人は
「30~45歳の間で答えを探します。」
実際に織田信長が自害したのは49歳の年でした。
今回の質問で重要なのは
織田信長の年齢を当てることではなく
あなたが「30歳より上かどうか?」という質問に引っ張られたかどうかです。
もし、織田信長の自害した年齢を推測するにあたり
30歳を基準にして無意識でも考えていた場合
あなたは【アンカリング】の落とし穴にはまっています。
【アンカリング】とは、
未知の数字を考えるにあたり
最初に提示した数字がとっかかりとなり
提示した数字をスタートとしてプラスかマイナスを考えてしまいます。
例えば、
ライブなどグッツで販売されているTシャツの平均値段は3,000円です。
と前置きがあった場合
あなたの頭にはTシャツは1枚3,000円という基準ができます。
そして、1枚1,000円でTシャツが売られていたら安いと思うはずです。
逆に、3,000円という数字が頭にある状態で
1枚4,000円のTシャツを見れば
購入するのを少しためらうはずです。
なぜなら、Tシャツは1枚3,000円が基準なのだから。
とまぁ、Tシャツを例に出しましたが
【アンカリング】は日常生活の至るところであなたを惑わせます。
例えば、
あなたが日頃自動販売機で買う飲み物は何円ですか?
人によっては自動販売機の飲み物は高いから買わないと答える人もいるでしょう。
このタイプの人は1本100円以下で買えるスーパーによく行くので飲み物は100円以下だと考えているはずです。
同じ自動販売機で飲み物を買う場合でも
チェリオなど安い自動販売機を良く利用している人がコカ・コーラやBOSSの自動販売機を見ると少し高く感じて他の安い自動販売機を探したくなるはずです。
自動販売機の例のように
あなたの中には既に一定の基準をもって生活しています。
あなたが
「世界一周旅行にかかる最低費用は?」
と質問されたら
「100万円ぐらい」
と答えませんか?
街中でたまに見かける世界一周旅行のチラシありますよね?
そのチラシには約99万~100万円の料金が書いていたはずです。
あなたは、無意識の内に世界一周には
100万円あれば行けると思い込んでいるはずです。
実際に調べたことが無くても。
今回の【アンカリング】で重要なのは
あなたは既に一定基準をもって行動しているが基準を持たない物に対しては相手から出された数字を基準にしてしまうことです。
1軒屋を建てようと見積り依頼を出したとき
あなたが平均予算を知らない状態で相談している不動産会社から「1軒屋を建てるには5,000万円ほど必要」
だと言われれば5,000万円を平均予算として考えがスタートします。
そして、本当は1軒屋を建てるのに必要な平均予算が2,000万円だったとしても
あなたの頭は
「平均予算は5,000万円だから2,000万円の家は安すぎて信用できない」
と思ってしまいます。
もし、あなたが【アンカリング】にひっかかりそうになった場合は
是非、相手がどれだけ利益を得られるのか
そして、どれだけ値引きすれば相手に損失がでるのかを考えれば
【アンカリング】の落とし穴から抜け出せるはずです。
【アンカリング】もバイアスと同じで一種の思い込みや偏見と同じなので
対極のことを考えると正常な判断を導きだしやすくなります。
【アンカリング】にはまっていると気づいたら是非ためしてみてください。
最後に
今回はアンカリングの落とし穴についてご紹介しました。
情報元として使用した
ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」では、
人間の考え方や意志決定の方法を知るためにはうってつけの1冊です。
まだ読んでない方は是非読むことをおすすめしたい一冊です。
あなたが、悪戯に数字の罠にひっかからないことを願っています。
引用元情報著者:ダニエル・カーネマンタイトル:ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるのか?発売年:2014年訳者:村井章子解説:友野典男発行者:早川浩発行所:株式会社早川書房
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